ひきこもり経験者の日記連載『すぐそこにあること』

ひきこもり経験者のブログ「すぐそこにあること」

連載No4「他者への理解」2014年4月1日

2月23日の篠原さんを招いた講演会は僕自身にとって非常に有意義であった。午前中に起床が難しい僕は途中参加で最後の言葉を述べる形で参加する予定だった。だけども、皆を驚かせたいと同時に存在を誇示したいがために無理して8時に起き9時に開場に到着した。理解ある応援団の方々が拍手をもって迎えてくれたことは今でも思い出すと嬉しく涙が出るほどだった。
 

 というのも、先月号に書いた片想いの女の子にこのように言われた「12時まで寝てるのではなく“朝6時”に起きて明日に早朝のシフトのバイトの面接に行って。それが出来ないのならラジオ体操をして家の掃除をして朝食のチャーハンもお母さんにならって自分で作って!絶対昼寝をしたらダメー午後は自由でいいよ」との言葉だった。その人の名誉のために言っておくがこれは僕がどうしても本音を聞きたいからといった返答である。また普段は非常に優しく10歳上の気の弱い僕をいつも大切にしてくれている。(のろけてすみません笑)だからこそ、その人には精神疾患&ひきこもりの辛さみたいなものを理解してくれてるのかなと思っていた。叱咤激励のような言葉に免疫がない僕にとってその人に言われた時には心臓をひとつきにされた気分でショックがあまりにも大きく立ち直れなかった。おそらくその人には悪気はなく僕のことを思って言ってくれたのだろうが、悪気がないだけにダメージも大きかった。
 

 このような経験をして今思い出すのは篠原さんの言葉であった。我が子を失い失意のどん底であるはずなのに、本来憎むべき加害者にも思いをよせる姿勢。この思いとは違い僕は辛い状況を他者に理解させる、もしくは理解してもらうのが当然という稚拙な姿勢。本当に篠原さんには敬服するという言葉以上の気持ちになった。また、講演会の会場で篠原さんに声をかけた際にも僕を理解する姿勢で接して頂いた。 
 

 篠原さんのように、僕も、もう少し相手の立場に立って物事を考える成熟した大人になりたいと心から思っている。