ひきこもり経験者の日記連載『すぐそこにあること』

ひきこもり経験者のブログ「すぐそこにあること」

連載No17「自宅で友人が出来た理由(わけ)」               2015年5月1日

最近友人とスカイプで通話することが多くなった。男同士だからかもしれないが、あまり品の良くない会話が多い。楽しいのでついつい2時間くらいあっという間なんだけど。
 
 
 当初は恋愛相談をすることが多かったけど、今では何気ない話とか、互いの仕事・恋愛について話すことが多い。

ネット環境、特に今高校生を中心に流行ってる「ツイキャス」なるLIVE配信サイトなどでは、いろんな人がLIVE配信・放送をして、それを聞くリスナーが配信画面を見てPCスマホで文字を打ちコミュニケーションをとる形。これが僕の最近(この2年位)人の輪が広がったきっかけなのですが、言葉や文字で説明するのがものすごく難しい、おそらく体験してない人は全く分からない世界なのではないだろうか。以前から思っていたことがあって、もし、ひきこもり当事者として話す機会が仮にあったら、絶対にこのツイキャスや僕が好んで見ていたステッィカムの話しをしたいと思っていた。なぜなら、まず家で人と限りなくリアルに近い形でコミュニケーションがとれる。



僕の場合、職歴がない、昼間から家にいる。このようなことは出来ればあまり言いたくない。その点このような配信サイトでは本名や職業、学歴、今何をしているのかを全く言わなくても構わないし、別に冗談で適当な事を言っても大丈夫。



僕のような人が、人と関わろうと思ったら無料LIVE配信サイトを利用するのが一番簡単だし、人と関わるハードルは低いのではないかと思う。
 

 それに、このようなサイトを使ってる人は、現実の世界で友人が少ない人が多いという感覚がある。なぜなら、現実で人との交流が多い人はこのようなツールを使わなくても困らないだろうから。なので、案外働いてない、引きこもってる、と言っても驚かない人が多い、という事がおおよそ2年ほど体験した実感です。なのでもし外に出れない、機会が少ないけど人との交流をしたいなんて人がいたら是非「ツイキャス」・「ステッィカム」・「ニコニコ生放送(略してニコ生)」あたりで遊べば結構楽しいのではないだろうか。



この話しは、このような配信サイトを知らない人に話しているのだけど、多くの人達、特に歳を重ねられた方々は懐疑的に受け取られる。ネットは危険だとか、リアル・現実の世界のほうがいいよ、なんて。女性と思ったら男かもよ、とか。でも、この手のサイトはLIVE配信で実際に顔が見え声が聞こえ、TV番組のような形なので、さすがに男女の区別がつくと思う。もちろん現実社会と同じように、いろんな人がいるので注意することは当然だが、僕が利用した経験では個人情報さえ晒さなければ、ことさら危険はないと思う。少なくとも車を運転し事故にあう確率より少ないと思う。
 


 最大のメリットは誰とでも気楽に遊べること。冒頭に書いた今では2時間も通話する友人は、どこかの配信で出会った時も全然合わない、むしろ嫌いな部類の人だった。でも数回、彼の配信に行ったりしていると、なぜか波長が合うというか、人生論的な議論をして面白かった。その後は一度は実際に出会い遊びに行ったし、またほかにも海で遊んだ人もいた。本当にPCスマホでのネットワークでは、配信してる誰でもコミュニケーションが取れるし、嫌だったら、クリックひとつで切ればいいので、本当に気楽。
 


 僕は人と交流するのが苦手だし、距離が縮まるまでに時間がかかる、それに体調に波があるので日時を約束をして外で人と会うことがものすごく負担になる、その点でも、どこかの誰かが、定期的に配信してると家にいながら僕の体調がいいときだけ気楽に交流が楽しめる。そうしていると気が合う人との交流時間はあっという間に長くなり、仲良くなれる。



こうした人とのがりは自分自身を他者から肯定され自信がつくし、人間関係に慣れる。また、外で人に会った時でも応援団で発言するときでも、少しは自信をもって話せるようになった。さらに対人関係における常識のようなことも分かった。


僕は家族以外の人との会話が限りなく少ない。だからこうして家族以外とコミュニケーションをとると、自分を客観視できる。 それに家族との会話ではどうしても対立することでも信頼できる友人から言われたら納得できることが多い。例えば、僕が電車に乗れないと相談したら散歩でもして一駅なら乗れるでしょ、目標を100メートル走で例え、1mmでも前進すれば必ず目標に到達する等など、いろんな助言があり、それを実行してる。5分でも運動しよう、自分の食べた食器くらいは片づけようとかね。もし同じことを親に言われたら絶対にやらないし、むしろ絶対やってやるものかと感じてしまう。ここが友人と付き合いだして変わった最大のポイントだと思う。


 僕は日々、自宅ではこうしたネットワークの環境で遊び人々と交流している。是非、時間・機会があれば「ステッィカム」「ツイキャス」とPCスマホで検索してもらって、このような形でのコミュニケーションの形も選択肢にあると感じて頂けたら嬉しいです。