ひきこもり経験者の日記連載『すぐそこにあること』

ひきこもり経験者のブログ「すぐそこにあること」

日記

ひきこもり解決に必要な視点

僕は、徐々にひきこもりから回復してきた。最近、社会的承認によって回復したと思っていた。 しかし、心のエネルギー(ヒューマンスタジオ代表丸山康彦氏による言葉)が回復したのは、友人や地域の方々、Facebookで交流によって心のエネルギーが満たされたと…

インターネットはひきこもりを救うのか?

○インターネットで生きる 皆さん、スマートフォンを持っているだろうか。 現在スマートフォンの普及率はおおよそ8割以上だそうだ。 僕はインターネットというテクノロジーのおかげで生きてこれたといっても過言ではない。 大学はインターネットで入学から卒…

日本社会における物の価値の変遷

〇なによりも好きな事 マツダ3という車をご存じだろうか。 アクセラ、ファミリアといったほうがわかりやすいのではないだろうか。 マツダは2012年にSUV(スポーツユーティリティビークル)CX-5を発売した。 その際、燃料効率の良いスカイアクティブテクノロ…

多様な生き方と支援、そして幸せとは?

〇多様な支援を 現在のひきこもり支援は未だに就労支援がメイン。 しかし、ひきポスやひきこもり新聞に代表されるような当事者活動家の発信によってさまざまな「生き方」が提案されている。 例えば、ひきこもったまま生きていく人、起業してひきこもり支援に…

就労支援がひきこもり解決に結びつくのか

就労支援に疑問を感じる。ひきこもり界隈(当事者を中心としたひきこもり業界)で言われていることだ。 僕も長く就労を目指していたが、なかなかその場にたどり着けない。 では、就労支援ではなく、何を支援、サポート応援してほしいのか。それは「幸せ」(…

未婚とひきこもりと派遣と正社員の共通点

「ひきこもり」と「未婚」って支援って意味で、結構似てて、本人が望んでひきこもりから脱したい、結婚したい。それならもちろん、「支援」サポートしてほしいですが、 「勝手」に支援されるのは「ひきこもり」も「未婚」の人も望まないでしょう。 それは、…

みんな違う趣味 ~主観と人の関わり~

いい服を着るのが好きな人もいれば、おいしいご飯を食べるのが幸せの人も、走るのが好きな人もいます。人にはそれぞれ趣味があって、つい、楽しいから、この楽しさをわかってほしいって気持ちから、一緒にやろうって誘う気持ちはよくわかります。僕の趣味も…

就労支援に嫌悪感を抱く理由

80年代後半、冷戦が終結に向かい、共産主義の終焉と同時に資本主義社会が世界を覆った。 現在、貨幣経済の中で、生きていくためには、どこかで働いて賃金を得るか、起業して収益を得る、ないしはフリーランスで稼ぐ。そういった社会構造がある中で、「ひき…

承認欲求と飲み会

皆さん、飲み友達っていますか。ちなみに僕はいません。もちろん飲みに行こうよ!と言えば心よく承諾してくれそうな人たちは多いのでありがたいです。 〇承認欲求の是非 数年前からアドラー心理学「嫌われる勇気」が僕のバイブルになって以来ずっと、承認欲…

早起きは地上の常識

〇たった一か月の経験 おかげさまで、無事「ひきこもる心を理解する」講演会が終わった。遠方からのご来場心より感謝致します。また受付を手伝って下さった方他に御礼申し上げます。 僕自身、講演会を主催してみて、いろいろなことが分かった。事前準備のチ…

ひきこもりの定義とは

僕は市民活動『ひきこもり発信プロジェクト』を逗子で展開しひきこもりについて考え続けている。 今までひきこもりの定義や言葉そのものに注目したことはなかった。ひきこもり当事者の声に「ひきこもりという定義の曖昧さがひきこもり理解を妨げており、飢餓…

嫌われる勇気以来の衝撃

丸山康彦氏の不登校・ひきこもり理論は僕にとって、『嫌われる勇気』アドラー心理学以来の衝撃だった。 〇講演企画にあたり 昨年、ひきこもりをテーマにした講演会を企画するにあたり、どのようなテーマにしたら来場者に喜んでもらえるのか考えた。 ひきこも…

不登校になった僕だから経験したこと

僕は不登校のため高校進学が同級生と比較して3年くらい遅かった。そして大学受験は4年遅れた。そのため予備校に入学したはいいが、共に学ぶ生徒のほとんど年下だった。予備校にはチューター制度というのがあり、大学生の予備校OB・OGが無料でわからないとこ…

不登校になってかわる周囲の態度

「よく来たね!」最近これを言われるとたまらなく嬉しい。これは僕がひきこもりを受け入れた証だ。 〇1番嫌だった事 僕が不登校だったころ、一番嫌だったのは「不登校扱い」されることだった。僕が学校に通ってるとき「不登校」はみじめな落ちこぼれという…

ひきこもりは就労支援で解決できるのか

今尚ひきこもり支援の中心は就労支援だ。僕がお世話になってる某支援先でも当初「あなたはどのくらい働けるのか」と問われ「週30分」と言えば、社協の折込作業がある。そんなアドバイスを受けた。 僕はとても不愉快だった。当時、僕は精神疾患から回復過程で…

誰にも言えなかった辛い過去~市民団体を立ち上げた理由~

僕の父親は精神疾患だった。僕が不登校になり高校進学せず在宅学習をしていたおおよそ20年前。父親が精神疾患を患い、様々な問題や課題を抱えていた。父は、母に当たることでかろうじて精神状態を保っており、子どもの立場としてそんな両親を見るのは辛かっ…

番外編 絶望から希望へ~ひきこもり体験を共有しようと思った理由

不登校だった僕は4年遅れの大学受験にトライした。学習のブランク、中学から高校までの空白、その空白により就職への不安。追い詰められる中、僕は必至で努力した。不登校渦中の体力の低下の改善、昼夜逆転から朝方に変更。電車内で過呼吸になり、電車を克服…

幸せの溜めができた理由~逗子30’sの活動に参加して~

バックナンバーNo7(2014年7月号)に逗子海岸の花火大会に参加した感想を書いてる。たった一人で参加した孤独感、恋人がいないことの虚無感を改めて感じ、ネット上の配信サイトで人と関わるほうが孤独ではないといった趣旨だった。 今、ようやく思い出せるほど…

連載No51 「数秒の遅刻を許せなかったあの頃」2018年4月1日

〇よみがえった過去の記憶 先日、お気に入りのデニムの丈を短くするために洋服リフォーム専門店に行った。トレンドに沿って少しデニムを短く調整しようと数センチ裁断してもらうことにした。翌日、仕上がりを受け取りに行ったらお店の人に「誤ってお客様の指…

連載No50「絶望のひきこもり体験」 2018年3月1日

ようやく大学に合格した。4年遅れの大学生。僕が志望していた大学とはまるで偏差値の違う学校だったけど、ここから頑張れば同級生たちと遅れを取り戻せるのかもしれない。そう考えていた大学合格の瞬間だった。しかし、そう考えていた大学生活も、つかの間で…

連載No49「不登校・ひきこもりは社会の問題」2018年2月1日

〇親の本音 (子どもが働くのを)「いつまで待てばいいんだ」。これは昨年6月リロードひきこもり親の会で、ある親による発言だ。僕には「親が死んでから生きていく覚悟はあるのか」と問われ、「無い」と正直に答えた。 〇親自身を苦しめる言動とは 3月4日林…

連載No48「不登校児童たちが支えている学校制度」~金八先生を見て考えたこと~ 2018年1月1日

学校で起こる共通の出来事 無料動画サイトYouTube(ユーチューブ)で金八先生を見ていた。1979年に始まった武田鉄矢扮する坂本金八と生徒役の子ども達が学校内外で様々なトラブルーいじめ、妊娠、暴力、LGBT等-を乗り越え無事に中学を卒業するまでの物…

連載・No47  「不登校・ひきこもりと自意識」2017年12月1日

〇大きな意味を持つ1冊 「人からどう思われているのか」皆さん気になりませんか。 僕はコンビニの会計、ガソリンスタンドでのやりとり、町を歩いていて他人と目があったとき、地元のコミュニティーに参加したとき、どう見られているのかということがすごく気…

連載No46「[居場所が作る休めない雰囲気とは」 2017年11月1日

〇未だ消えぬ後悔 「アンガージュマンのような居場所があればよかった」これが僕の口癖だ。僕が不登校だったのはおおよそ24年前。当時は現在のように不登校生徒の居場所が少ない(ほとんどない)時代だった。 僕がこども若者応援団に所属し、最初に話した…

連載No45 「様々な支援機関を利用して~人とのつながりを増やした結果~」 2017年9月1日

〇多様な支援 今月は今まで受けてきた支援について書いていこうと思う。 最初に尋ねた支援機関は「よこはま若者サポートステーション」(以下サポステ)だった。まだまだ人との繋がりもなく、体調の悪化とともに外出が難しくなり将来不安が高まったので親に…

連載No44「全ての親へのメッセージ」 2017年8月1日

〇ひきこもり親向けの講演会にて 6月24日リロード理事長武藤さんのお招きでひきこもりの親の会にて講演をしてきた。 僕は5月もKHJ(全国ひきこもり家族会連合会)横浜支部にて1度話しをしたからその経験を活かし、ひきこもり当事者の親はどういう対応をした…

連載No43 書くこと、話すことは迷惑行為?~冊子の販売講演を通して感じたこと~2017年7月1日

〇罪悪感に満ち溢れた行為 このエッセイをまとめた冊子を三浦半島市民サミットで販売した。その1週間後、前号に書いたように講演会にださせてもらったのでそこでも販売した。さらにタウンニュースに取り上げて頂いたこともあり、地域の人たちにも手に取って…

連載No42 すべての子どもに生きる喜びを~講演会で話した経験にて~

〇干渉してしまう親 先日、友人の紹介でひきこもりの親の会で講演をしてきた。 僕の不登校に至る経緯、高校進学、大学受験、そしてひきこもり体験を紹介した。 質疑応答の時間にて、親はどうしても、子どもを干渉してしまうということだった。具体的には、子…

連載No40 両親への想い~『ありがとう』~を聴いて

〇半年間における心境の変化 このエッセイをまとめた冊子の改訂版作成にあたり改めて「すぐそこにあること」バックナンバーを読んでいた。以前、「最高だ!と思った家庭環境?」に「家庭では僕の思うようになるけど、外ではそうはいかない。」と書いていた。…

連載No39やめようと思った決断~36歳になって考えたこと~

〇14年間の試行錯誤による結果 出来る事はやってみる。これは今年の目標だ。 そのわけはひきこもりから少しずつ脱却しつつあるけれど、14年前からひきこもり状態になり今日まで試行錯誤した結果、まだまだ世の中の人と同じように行動するだけのエネルギ…