連載・No47 「不登校・ひきこもりと自意識」2017年12月1日
〇大きな意味を持つ1冊
「人からどう思われているのか」皆さん気になりませんか。
特に印象的だったのが、ひきこもり当時者が描いたコミックエッセイ。女子会に行くまでの経緯と、女子会に参加した時の心の内がきめ細やかに描かれており、人と関わった際に同じような経験をしているのは僕だけではないんだといった共感、安心感がありました。
参加した著者であるひきこもり当事者は他者の視線を意識しすぎて女子会にいる人とうまく交流できない。自己紹介一つにしても、他者より劣ってるという気持ち。そして、コミュニケーションが絶望的にうまくいかず、トイレにこもって泣いてしまい、自己否定を重ねてしまう場面。人と同じことができない、もしくは人と比べて著しく劣ってるのではないかという恐れ。二回目に参加した際に、「前回来ましたよね~」と声をかけられるも、返事が出来ず後悔。漫画なのでこういった心的描写が具体的でわかりやすく書かれており、人とうまくコミュニケーションできず、こんなはずではなかったと落ち込む著者と自分を重ね合わせました。
〇精神疾患と罪悪感
昨年9月に僕は「逗子30′S(さんじゅうず)プロジェクトクト」(以下30′S)というコミュニティーに参加しました。地域で30代の人たちが集まって交流、イベントを立ち上げ皆で逗子という町をよりよくしようというコミュニティーです。今年も新年会、餅つき、寒中水泳(僕は泳いでない)、夜回りランサミットなどのイベントに参加しました。
夜回りランサミットの模様がTVに放送されるとアナウンスされていたので、僕は記念に録画してました。30′Sで仲良くしていた人が録画しておらず見てないと言ってたのでダビングしたブルーレイディスクを手渡そう、そうしたら喜んでくれるのではないかと思いました。第1木曜日に30´Sのミーティングがあり、何とか手渡したいそんな気持ちと共に緊張からか、頭痛がひどくなりました。Twitterで頭が痛いとぼやいたら、その人から「無理しなくてもいいよ」と温かい返信があり、何度かやり取りしました。結局ミーティングの場にはたどり着き、ブルーレイディスクを手渡せたのだけど、なんだか仮病みたいのようで、心配かけておいて、元気な?顔でその場にいるというのが「どう思われているのだろう」ということが本当に気になりました。
最近、子ども若者応援団のミーティングでも遅参、中座、欠席を繰り返しているので、先ほど紹介した著者の心境―他者と自分比較、自分の想いを反芻してしまう―がとてもよくわかりました。
〇些細な共感が大きな力を生む
昨年TVでホリエモンこと堀江貴文さんが出演している番組がありました。その中で彼は、「家族や身近な人でも実は自分のことばかり気にして他者を意識することは少ない」仮に、著名人と会ったところで誰かに自慢してそれ以降はあまり考えなくなる。確かにその通りだなと思いました。僕も他者の事を考える時間より圧倒的に自分のことを考えることが多い。みな自分の生活があるのでそのことに精一杯なのです。そう考えると人との対話、関係がだいぶ楽になりました。
以前、林恭子さんとメールでやりとりさせてもらった時も、「何か大きなイベントや講演会を開催するのもいいけど、些細な共感が大きな力になる」そんな話を思い出しました。