ひきこもり経験者の日記連載『すぐそこにあること』

ひきこもり経験者のブログ「すぐそこにあること」

連載No34働きやすい環境を選択できる社会へ~在宅就労の支援について~

8月28日のひきこもりをテーマにした講演会が終わった。
 
 僕はひきこもり当事者として話す役割だった。


不登校からひきこもりになった経緯を話したけれど、「在宅就労」の提案が結構反響を呼んだ。要は既存の働き方に合わすのではなく働きやすい環境を選択できる社会へという事だ。
 
 しかし、もともと在宅就労はあることはある。内職や今ではインターネットを介して探せば仕事はある。
        


僕の体験談だけど、以前就労支援センターでなかなか就労ができず「在宅就労はないのか!」と半ばキレた感じで言っていた。
 
 そこで用意されたのが、まず通信制教育の添削。次に、NPOテレワークという会社の仕事。内容は音声の文字起こしやエクセルのデータ入力など。


個人的には「クラウドワークス」という会社で何かについて書く仕事をやりやすい単価の低い10円程度の仕事はやったことがある。しかし、どれも継続できなかった。
 
 では、なぜ継続できなかったのか、通信制教育の添削は学習にブランクがありとても出来ない。テレワークの仕事は単価は高いんだけど量が多くこなせそうにないなと思ったから2年位登録しているもののまだ手を付けていない。クラウドワークスについては単価の低さから辞めてしまった。なんだかこう書くと僕の我がままで、どれもできない気がするけれど、一番抜けているのは「支援・サポート」なのではないか。神奈川県にも多くのひきこもり支援機関があるけれど既存のバイトや正社員を目指す形でまずボランティアから始めるところが多いんじゃないかと思う。
            


僕がカウンセリング目的で通っている障がい者向けの支援センターで、ある人は昼夜


逆転したまま、夜にバイトのシフトを入れて働いてるという話を聞いた。そこで多くの人と同じように9時―17時の仕事をしなければならないのではなく、自分に合わせた仕事を選べばいいのかと思った。在宅就労に話を戻すけれど、これだけインターネットが普及し多くの人たちがPCスマートフォンを持っている。僕はなぜネットを介した在宅就労の種類が極めて少ないのか納得できない。企業側にとっても交通費を従業員に支払わなくてもいいしお互いにメリットがありそうなものだけどと思う。
 
 僕が知る限り在宅就労に向けて支援してくれる機関はほとんどないといってもいいのではないか。なぜ多くの人が働く形に合わせてそれに向けて訓練しなければならないのか。現状の形で在宅就労の支援があったとしても、在宅就労は不安定で所属感が得られない、また失業保険や様々な社会保険の恩恵は受けられない。もちろん年金だって社会人とは違い国民年金だろうし。
            


今、僕はアフィリエイトというブログに広告を張り付けて稼ぐノウハウを自宅にてマンツーマンで教えてもらっている。やはり一人で行う在宅就労とは全然違う。まだ稼ぐという地点まで到達していないが日々ブログは書き続けている。ブログなので支援してくれている人も読んでいるので少しプレッシャーのようなものを感じるが程よい加減なので継続できている。もちろんこの先いくら位の収入になるのか目途はたっていないが、支援してくれる人の提案で「ひきこもりの日々」という題名で書いているので、日々のぼやき、喜び、葛藤などをつらつら書いてる。今のところ結構楽しい。この「楽しい」ってのかなり重要ですよね。こうして僕はこのエッセイを継続できたのも、応援団会議も「楽しい」ってのがあってこその継続だからだ。
          


なかなか社会制度を変えるのには難しいかもしれない。だけど僕が不登校だった25年ほど前は神奈川にこんなに不登校・ひきこもり支援機関はなかったので、そのうち在宅就労支援機関もあり在宅就労が「ひきこもり」の受け皿ではなく多くの人たちのあるべき当然の選択肢という社会を願う。