ひきこもり経験者の日記連載『すぐそこにあること』

ひきこもり経験者のブログ「すぐそこにあること」

悩みは捉え方次第で変化する

 皆さま、昨年はどんな年だっただろうか。

 

 僕はインターネット上で『note』の連載。ワード、エクセルの通信講座、2019年前半から毎日洗い物や洗濯物の取り込み、もちろんこの連載、ひと月に一回、講演形式・ひきこもり発信プロジェクトを開催した。2018年に比較し多くの活動をした。

 

 

 こう考えると非常に充実した2019年のように思えるが、他者比較、相対認知によって2019年を振り返ると、多くの人は8時間働いたり勉強しているのに自分はそれほど活動していないからダメなんだと思ってしまう。

 

 

 最近よく思うのだが、悩みとは人間が脳に作り上げた虚構なのではないか。

 

 例えば、働けないという事実はあっても、それが「悩み」になるのは、社会構造の問題。

 

 思考の問題。

 

 つまり人間が集団で生きていく上で、人と「比較」することで悩みが発生する。

 

 また、多くの人は20代後半までに親から経済的な自立をしていくのだろう。

 

 しかし、視点を変え、世の中には、専業主婦、学生、年金受給者など、経済的自立していない人もいる。

 

 そう、悩みとは考え方次第で、悩みになったり、そうでなくなったりする。

 

 確かに、健康でない心身や経済的困窮、自然災害による被災は人間にとって大きな悩みになるだろう。

 

 しかし、こういったことによって、今までの人生を見直してよりよく生きようとする人もいる。

 

 僕は決して強い人間ではない。

 

 しかし、最近悩みと思うことを前向きに捉えられるようになった。

 

 それは一人で考え方を変えたからではない。

 

 やはり、「人」による承認やSNSや配信サイト、本、フェイスtoフェイスのコミュニケーションによって考え方を変えてこれた。

 

 例えば、従来は体調を整えてから行動を起こすというのが僕のやり方だった。

 

 しかし、ひきこもりから抜け出し、多くの人と関係を構築した時に分かったのは、多かれ少なかれ、皆、疲弊しながらも仕事をこなしたり、活動をこなしている。

 

 僕の友人・知人もしばしば体調不良を訴えている。

 

 しかし、それでも仕事やプライベートを充実させている。

 

 もちろん、ひきこもった人達が少し具合が悪いだけで、怠けてるとは全く思っていない。

 

 ひきこもった辛さと多くの人の体調の悪さは「別次元」の物のなのだ。

 

 

 僕はここ数年、ネガティブ思考からポジティブ思考へ変化していった。

 

 なぜそうなれたのか。

 

 考え続けてきたが、先月にも書いたように「他者承認」や「社会的承認」によって回復したと断言できる。

 

 深くひきこもっていた時に、何を僕が求めていたのか、それは「承認」や「見返り」だ。

 

 不登校から脱した時、昨日の自分より今日の自分、明日の自分と確実に「成長」していった。

 

 そこには、努力した成長という「見返り」が確実にあった。

 

 ひきこもってから、そういった成長を感じることもなく、努力出来る量も極端に減った。

 

 結果、成長や前進という「見返り」はなくなった。

 

 誰でも入学できる名もない通信制大学の卒業まで11年もかったというのがわかりやすい結果だ。

 

 そういった進まない課題(大学の単位取得)や同世代と比較した時に全く自分にOKがだせない時代が長期にわたって続いた。

 

 受験勉強にチャレンジした際に6時間勉強、2時間体のトレーニングをした時と同じエネルギーをもってしても30分しか継続できないふがいなさに、家族に八つ当たりをした。

 

 

 そして、支援機関を数多く尋ね、『子ども若者応援団』にたどり着いた。

 

 体力のない僕でも「編集長」「三役・副団長」を子ども若者応援団主催の滝田さんから任せてもらい「承認」してもらった。

 

 また、Facebookを始め、多くの人と繋がった。

 

 体調がいいときだけ外出できるので、外出するたびに新しいFacebookを作った。

 

 現在おおよそ250人。

 

 250人が僕を承認してくれた。

 

 

 努力しても「結果」が出ない日が長かったので、編集長、副団長という肩書や250人の仲間を作った時には本当に嬉しかった。

 

 人と関わると皆本当にいい人で、僕に色々なプレゼントをくれた。

 

 僕が写真を撮られるのが好きなことを知って、「写真を撮ろう」と声をかけてくれた友人、悩みがあるとき話を聞いてくれる友人、毎月感想を下さる敬愛する大先輩。

 

 ネット上の配信サイトでも数多くの「出会い」が僕にエネルギーをもたらしてくれた。

 

 

 そういった人達がいるから僕は生きていける。

 

 ニュースで見る知らない人のネガティブな情報には全く興味をもてないが、身近な人が頑張ってる姿や苦しくてもやり遂げる姿に僕の背中を押してもらえる。

 

 

 こうして、悩みがあったら人に話すことや、他人に興味を持つと案外視点が変わったりして悩みが、悩みではなくなることもあるだろう。

 

 しかし、つい他者比較、相対認知の呪縛に足を取られ深い悩みにハマることもある。

 

 

 僕が講演会で話した例を挙げて今月は終わろうと思う。

 

 ひきこもっている多くの人は体調の波に苦しむだろう。

 

 そういったとき、例えば歩くという事例に置いて、昨年は10万歩、歩けた。

 

 しかし、今年は二万歩。

 

 そこで落ち込む気持ちも十分わかるが、二年で12万歩も歩けたと前向きに捉えることもできる。

 

 人と繋がることや考え方次第で悩みは悩みではなくなるのだ。